前回はインターネット広告の配信と測定の仕組みについて説明しました。 第4回は「クロスメディア」について考察していきたいと思います。
「クロスメディア」には明確な定義はないようですが、概して言うと、従来の4マス媒体に加えて、 インターネットなどのデジタル媒体を活用して、生活者(消費者)とインタラクティブ(双方向)コミュニケーションを 行う手法や考え方のことを指します。
よく取り上げられるクロスメディアの例は企業のキャンペーン広告活動において
に加えて
大企業のキャンペーンのことだけを指すのではなく、身近なところでは、PCで目的地の地図を検索して、 携帯へ転送して現地で確認する、携帯から現地近くのお店を探す(広告または検索エンジン)といった使い方も クロスメディアを活用していると言えます。
クロスメディアでは従来の紙媒体やテレビといった片方向のみのコミュニケーションだけではなく、 インターネットへ誘導することで、消費者は広告の内容を確認できたり、 プロモーションへ参加することでブランドを経験することができ、広告効果を認知から体験へ変えることを目的としています。
クロスメディアと似た概念で「メディアミックス」があります。 「メディアミックス」はもともと広告業界において複数のメディアを組み合わせて活用する考え方のことで、 4マス媒体に広告費を割り振って計画を立て、広告の量やリーチマックスで訴求していこうというものです。 リーチマックスは個別の媒体ではなく、媒体の組み合わせ全体でリーチを最大化しようという手法です。
複数のメディアを活用する手法は同じなのですが、 メディアミックスが広告主からの片方向のコミュニケーションによるマスアプローチなのに対して、 クロスメディアは複数の媒体+インターネットを活用して、ターゲットである生活者とのコミュニケーションを重視して広告効果を訴求するところが大きな違いです。
なぜ、クロスメディアなのでしょうか?