第14回 行動ターゲティング(3)

3. 行動ターゲティングのモデル

車の例以外に行動ターゲティング広告にはいくつかのバリエーションがあります。

再訪問モデル(リターゲティング)

ウエブサイトを訪問したが、コンバージョンに至らなかった訪問者や、逆にコンバージョンした訪問者を識別して、 サイトを再訪問したとき、または広告掲載サイトを訪問した時に誘導するための広告を表示するモデルです。

リターゲティングモデル

一般的にウエブサイトのコンバージョン率は数パーセント以下です。つまり90%以上の訪問者はコンバージョンせずにサイトを離脱します。 しかし、離脱しても、ユーザは同じ分野のウエブサイトを閲覧したり、広告や、ブックマーク、検索エンジン、口コミから再度訪問する可能性があります。 その場合に、訪問者に適切なクリエィティブを配信することによってコンバージョンへつなげる手法です。

別のバリエーションとしてユーザを既存顧客(購入履歴がある)、顧客ではないがウエブサイトを過去訪問している、 まったくの新規訪問、というようにユーザステータスを識別して、表示するクリエィティブを変更するといったサービスもこれからは広がっていくでしょう。

行動ターゲティング+デモグラフィック/エリアターゲティング

行動履歴に性別・年代といったデモグラフィック要素を加えてターゲティングする手法です。 また、行動履歴に加えて、IPアドレスから地域属性を判別、またはキーワードに地域が含まれている場合に、地域性の高い広告を配信するモデルです。

レコメンデーション

ここまでは、生活者の行動履歴に応じて、ターゲティングする説明を行ってきましたが、他人の行動履歴を活用して、ターゲティングするといったレコメンデーション的な仕組みも行動ターゲティングと言えます。 例えば、商品を購入した人の行動パターン(キーワードや閲覧ページ)から同じパターンでサイトを訪問した人に商品を勧める広告的な表示(レコメンデーション)を行うといったものです。

行動ターゲティング広告のサービスタイプ

一般的には媒体社型/クライアント型のターゲティング広告があるといわれています。

「媒体社型」

大規模ポータルや、集客力のある媒体サイトのトップページやカテゴリページの広告枠は売れ残ることはあまりありません。しかし、他のニッチコンテンツやターゲットが不明確なページの広告枠は売れ残り、媒体社からみると在庫を抱えることになります。 中規模のサイトの広告枠は埋まることがないこともあり、格安で広告を売り出す、自社広告などで何とか埋めている場合もあるようです。そのような広告枠の隙間を埋めるのに行動ターゲティング広告は非常に適したソリューションとなります。このような行動ターゲティング広告を「媒体社型」や「byメディア」と呼びます。

「クライアント型」

生活者の嗜好・関心事に合わせて最適なクリエィティブを配信することを第一に考えるモデルです。 広告主のサイトへの誘導だけではなく、再訪問の促進や、誘導した後のコンバージョン率を高めることを狙います。 広告枠のあるサイトだけではなく、広告主のランディングページを行動ターゲティング手法を用いて最適化するLPO的なモデルもこれから出現すると思われます。 一般的なLPOサービスが提供しているA/BテストやMVT(マルチバリエイトテストの略)ではなくて、生活者の嗜好や関心事に合わせてランディングページを動的に変更します。 「byクライアント」とも呼ばれるモデルです。