第2回 行動ターゲティングの仕組み

第2回 「行動ターゲティングの仕組み」

第2回 「行動ターゲティングの仕組み」

「行動ターゲティングとLPO」の第2回です。 第2回は「行動ターゲティングの仕組み」を解説します。

行動ターゲティングは下記の仕組みから構成されています。

  1. 訪問者をユニークに識別
  2. 訪問者に関する情報を取得
  3. 訪問者の過去の行動履歴から配信クリエィティブの決定
  4. クリエィティブ配信

【行動ターゲティングの仕組み】 行動ターゲティングの仕組み

以下、順を追って説明していきましょう。

訪問者の識別

行動ターゲティングにおいて重要なポイントは訪問者をユニークに識別する仕組みです。 再訪問時に過去の履歴からターゲティングするためにはある期間において訪問者が同一かどうかを識別する機能が必要となります。 会員サイトであれば、ログイン時のIDで識別することができますが、行動ターゲティングシステムでは会員サイトには限らず、 一般の訪問者が閲覧するページでターゲティングすることが求められます。したがって、通常の訪問者を特定してターゲティングしなければなりません。 この訪問者の特定方法は   PCサイトの場合はCookieによって、   モバイルサイトの場合は個体識別情報で識別します。

Cookie(クッキー)とは?

CookieはHTTPプロコトルでサポートされている機能です。 もともと、HTTPは単純なリクエストとレスポンスの組み合わせだけで構成されるプロトコルです。 つまり、1回の通信のみで閉じており、次回の通信は前回の結果と関係を持ちません。 このような通信を「ステートレス(Stateless)」な通信と呼びます。 このため、トランザクション処理のように複数の通信を緋も付けて、 1つの処理を完結しなくてはならない処理などの場合には、クッキーを使います。

【クッキーの処理イメージ】 クッキー処理

最初のアクセスではブラウザはクッキーを持っていませんので、クッキーなしでウエブサーバに要求が実行されます。 ウエブサーバは新規にクッキーにユーザを識別する値を作成して、応答時のレスポンスヘッダにクッキーを付加します。 レスポンスヘッダ内のクッキーをブラウザが保管します。 2回目以降のブラウザからウエブサーバの要求にはクッキーがリクエストヘッダに(ブラウザによって)付加されます。 このような仕組みにより、ウエブサーバは同一ユーザであることを識別できるのです。 クッキーには指定した期間内有効な永続タイプとブラウザを閉じると消滅するセッションクッキーがあります。

行動ターゲティングでは一般的に30日以上の有効期間をもった永続タイプのクッキーを利用します。 ブラウザの設定やPC側のセキュリティソフトの設定によってはクッキーを受け付けないようにしたり、 ブラウザを終了させると毎回クッキーを削除することが可能ですが、その場合は、上記の仕組みは有効になりません。

また、クッキーはブラウザ依存ですので、利用者がブラウザを変更した場合や、 会社と自宅では別ユーザとなります。

ほとんどのブラウザの標準の設定はクッキーを許可しています。したがって、100パーセント正確ではありませんが、 現在のPCサイトにおいて、会員ID以外で利用者を一意に識別するためには最もベストな方法です。

端末識別番号とは?

【各携帯キャリアのCookie,JavaScript,端末識別の対応状況:2008年4月時点】 各キャリアの対応状況

モバイルサイトの場合はPCと異なり、すべての携帯端末でCookieが利用できるわけではありません。 したがって、Cookieをユーザの識別に使用することはできません。 しかし、各携帯電話には1台1台、端末識別番号(個体識別情報)というユニークな番号がついています。 これらの番号はHTTPヘッダ(拡張ヘッダ)から取得できるようになっています。 (使用する携帯電話で端末ID(製造番号)を通知する設定にしていなければなりません。) ただし、DoCoMo社の場合、SSL通信時には個体識別情報(公式・非公式にかかわらず)は渡されませんので、 要注意です。

訪問者をユニークに識別した次は情報の取得です。

行動ターゲティングの仕組み

それでは行動ターゲティング広告を例に動作を説明しましょう。 ポータルサイトを例にとって説明します。

【行動ターゲティング広告の仕組み】 行動ターゲティング広告の仕組み

訪問者がポータルサイトを閲覧したときには以下の処理が実行されます。

  1. ブラウザがWebサーバーにリクエストを送信
  2. Webサーバーが閲覧データを取得するタグを含んだコンテンツを送信
  3. ブラウザが閲覧ページ情報をアドサーバーへ送信
  4. アドサーバーが閲覧履歴を保存
  5. アドサーバーがCookieにユニークなIDやその他の情報を設定して応答

同じ訪問者が行動ターゲティング広告枠があるサイト(ページ)を訪問した時に以下の処理が実行されます。

  1. ブラウザがWebサーバーにリクエストを送信
  2. Webサーバーが広告表示タグを含んだコンテンツを送信
  3. ブラウザが広告表示リクエストとCookieをアドサーバーへ送信
  4. アドサーバーが閲覧履歴やCookie、セグメント情報から配信する広告を決定
  5. アドサーバーが広告を配信

重要なポイント

行動ターゲティングの仕組みで重要なポイントはつぎの3つの処理です。

  1. 行動履歴の収集
  2. Aセグメント化
  3. Bターゲティング配信

行動ターゲティング重要なポイント

行動履歴の収集

ウエブサイトの訪問者と行動履歴を緋も付けて取得します。 サービスや製品によって、取得したデータをどのように利用するかは異なりますが、 たいていは下記の情報を利用します。

  • ウエブサイトのカテゴリ
  • 閲覧したページ情報(商品、商品カテゴリ)
  • 検索したキーワード
  • IPアドレスを元にした地域情報(都道府県)
  • 位置情報(携帯サイトの場合)
  • 広告クリック情報(広告配信システムの場合)
  • 時間

セグメント化

行動ターゲティングシステムにセグメントを定義して、訪問者を分類します。 セグメント化とは行動トラッキングで取得したデータを基に訪問者をグルーピング化することです。 例えば、車のページを閲覧している人は自動車に関心のあるグループに所属させます。 また、会員登録情報を持っている事業者・サービスであれば、属性情報もセグメント化に利用することが可能です。 大きな分類では、旅行、車、金融といった業種から、さらに細かく分類するといった手法がとられます。 セグメント化は各社によって実装する仕組みが異なります。

配信

訪問者が配信ページ(広告やサイトでターゲティング表示を行う)へ訪問したときに セグメント化情報と過去のトラッキング情報に基づいてターゲティングします。 あらかじめてターゲティングに応じて登録されているクリエィティブから選択して配信します。 ここでどのクリエィティブを配信するか?がターゲティングシステムの 優劣を決定します。 配信可能なフォーマットはサービスによって多少異なりますが、ほとんどのサービスが Flash,GIF,JPEG,HTML形式をサポートしています。