第11回 「行動ターゲティング」と「レコメンド」

「行動ターゲティング」と「レコメンド」

これまでの連載では行動ターゲティングとLPOの仕組みや事例について説明してきました。 第11回は「行動ターゲティング」と「レコメンド」について説明します。

「行動ターゲティング」と「レコメンド」の背景

第1回で「行動ターゲティング」とは 「OneToOneマーケティング」「CRM」「データウエアハウス」をインターネットを利用して活用するテクノロジー・仕組みで あると説明しました。

日本では「行動ターゲティング」は「行動ターゲティング広告」として取り上げられることが多いのですが、 その本質は広告のみではなく、「OneToOneマーケティング」「CRM」「データウエアハウス」といった顧客視点の ソリューションにあります。

【「OneToOneマーケティング」「CRM」「データウエアハウス」】 「OneToOneマーケティング」「CRM」「データウエアハウス」

店舗販売において、カリスマと呼ばれる店員の優れた理由として その記憶力と洞察力を駆使して、顧客(見込み顧客含む)の過去の購買履歴、現在の表情・会話から薦める商品を 決めている点を挙げました。

そして、インターネット(Webサイト)の特徴として以下を挙げました。

  1. 購入に至らなかった訪問者のアクセスデータを記録することができ、
  2. 購入データと訪問者を結びつけることが可能
  3. コンピュータに過去の訪問履歴・購入履歴を記録することにより、カリスマ店員でなくても、 顧客に合わせて、提案(レコメンデーション)することが可能になる

「行動ターゲティング」と「レコメンド」はインターネットの特徴をうまく活用しています。 それでは両者の違いについて説明していきます。

「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」の違い

アマゾンドットコムの影響が大きく、特に日本ではレコメンドといえば 「この商品を買っている人はこの商品も買っています」 といった商品に対して他の商品を推薦する(アイテムベースのレコメンド)が 代名詞となっています。

【代表的なレコメンド : この商品を買っている人はこの商品も買っています】 「この商品を買っている人はこの商品も買っています」

行動ターゲティングは訪問者の過去の行動パターンでTOPページやランディングページで訪問者に対してクリエィティブで訴求します。

【転職サイトの行動ターゲティングの例】 転職サイトの行動ターゲティングの例

このように「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」はアプローチ方法を含めて少し異なる点があります。

「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」の違い

それでは「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」の違いについて見ていきましょう。

【「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」の違い】 「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」の違い

利用するデータ

利用するデータはどちらも同じです。訪問者のウエブサイトの行動履歴を蓄積します。 ただし、レコメンデーションでは商品に関する行動履歴を利用し、行動ターゲティングでは 流入情報(キーワード、広告、流入元)や、訪問者の属性、訪問回数(訪問頻度)を 利用するのが特徴です。

サイト訪問者への訴求(アプローチ)方法

「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」のアプローチ方法は少し異なります。

「レコメンデーション」は訪問者に推薦する商品(または特定の記事等の情報)を最終的に提示する手法です。 レコメンドには大きくは2つの手法があります。

1つ目はアイテムベース(アイテムtoアイテム)です。 特定の商品に対して関連性のある商品を推薦します。

2つ目はユーザベースのアプローチです。 類似の商品購入(または閲覧)傾向にある他の訪問者が購入(または閲覧)した商品を 推薦します。 いずれにしても、最終的に商品を訪問者に対して推薦するアプローチです。

一方、「行動ターゲティング」は訪問者をベースにして、よりパーソナライズに近い アプローチをとります。

これまでの連載でご紹介してきたように以下の行動履歴を利用します。

  • 閲覧履歴(ページの閲覧履歴)
  • 訪問者のサイト流入時のキーワード
  • 訪問者のサイト流入時の広告
  • 地域
  • 訪問頻度(初回訪問か再訪問か)
  • 属性(会員区分、年代、性別など)

最終的に訪問者に提示するのは単体の商品ではなく(商品の場合もありますが)、多くは成果へ誘導するためのコンテンツ(クリエィティブ)です。 コンテンツはキャッチコピーや商品・サービス画像(Flash/GIF/テキスト)でナビゲーション目的です。 (業種によっては単体の商品の場合もありますが、ほとんどの場合はクリエィティブであることが多い) したがって、「行動ターゲティング」は訪問者の行動パターンを軸としてクリエィティブを表示して成果へ 誘導するアプローチと言えます。

訪問者への訴求

「レコメンデーション」は商品(または単体の記事コンテンツ)です。

「行動ターゲティング」は成果へ誘導するためのクリエィティブです。

活用ポイント

このようにアプローチが若干異なる「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」ですが、 ウエブサイトでどのように活用すると効果的なのでしょうか?

【活用ポイント】 活用ポイント

図のように、それぞれのアプローチ特性を考えると、

  • 「行動ターゲティング」は訪問者のサイトの入り口となるページで誘導
  • 「レコメンデーション」は商品紹介、カテゴリTOPで表示

といったアプローチとなります。 ただし、これからは両者は混合して利用されていく傾向にあります。

これからの展開

これまで「行動ターゲティング」と「レコメンデーション」についての違いを説明してきました。 しかし、両者はアプローチが若干異なりますが、マーケティング施策を実現するための道具としては 同じソリューションです。