顧客の可視化と1to1 に挑む! ~ブックオフオンラインの購買ビッグデータ分析~

顧客の可視化と1 to 1に挑む!~ブックオフオンラインの購買ビッグデータ分析~

ブックオフオンラインのマーケティング部長が語る、DMP導入とビッグデータ分析において重要なこと。

2016年3月15日(火)、ブックオフオンライン株式会社マーケティング部長 千田竜也氏を講師に迎え、「顧客の可視化と1to1に挑む!」と題したアクティブコア主催によるセミナーが開催されました。 本・CD・DVD・ゲームソフトの販売および買取サービスを提供するブックオフオンラインにおける、プライベートDMP導入までの経緯や、これまで実施した施策の成功・失敗事例について解説していただきました。

ブックオフオンラインの歴史と現在

2007年にECサイトのサービスを開始、モバイルサイト、楽天市場店のオープンを経て、2015年12月にヤフオク!店をオープンしました。ECサイトは、在庫が300万点、会員数は300万人、月間PVは3000万PVに及びます。運営を支える物流倉庫は、10,000坪の敷地内に「販売」用と「買取」用の2つを構えています。

現在も、会員数は順調に伸び続けており、売上高も堅調に推移。売上規模を拡大中です。今後5年で売上高100億円を目指していきます。

◆中期経営計画

プライベートDMP導入までの道のり

皆様も同じだと思いますが、まず、売上や利益が求められます。そこで、様々な施策を実行してきました。
■セールやクーポン配布・広告出稿を実施 ⇒ 結果:売上だけで利益が取れず。

クーポンは、セグメントが年代性別のみであった為、ほぼバラマキ状態になっていました。また、広告出稿を強化しましたが、検索のリスティング広告を、CPAで上回る媒体はありませんでした。

■広告出稿をやめた ⇒ 結果:非常に大きな利益が!

思い切って広告出稿を止めてみたところ、利益が10倍になりました。2012年当時、通販新聞史上最大の拡散記事だったと聞いています。

◆少し話題にもなりました

なぜ広告出稿なしが成功したのか?

在庫数に対して訪問数が多すぎるのではないかと考え、広告出稿をすべて止めました。結果として、訪問数が減っても売上はステイし、削減した広告費がそのまま利益につながりました。

成功から負のスパイラルへの危機感

前述の成功で利益は出ましたが、新規顧客の獲得にはつながりません。言い換えれば、リピーター頼りの体質になり、将来性のない会員組織になってしまいます。 短期的かつ画一的な打ち手では、安定的な売上・利益は見込めない。経費や原価を下げれば利益は出ますが、事業は成長しない。セールや広告だけに頼らない売上増・収益増パターンを確立する必要があるのです。

小さな成功体験

モバイルサイトの属性分析から若い女性向コンテンツを強化すると、強化ジャンルの売上が3倍になりました!そこでコンテンツを強化し、特集コンテンツを量産しましたが、数が多く分かりづらくなり、顧客の趣味嗜好に合ったコンテンツをスピーディに提供する接客の重要性を痛感しました。

もっと顧客を知らなくちゃ

まず当たり前のことですが、顧客を知る必要がありました。しかし顧客を知るために大きな壁になったのが、データ量や分析方法、データ内容の問題でした。

●大量のデータ

●点と点のデータ分析

それぞれの担当が持っているデータを分析しているので、点と点の分析で線になっていませんでした。横の連携でのデータのつながりがなく、分析に限界がありました。

●データの使い捨て

データはスナップショットで使い捨てにしており、時系列の推移を見ることができませんでした。

工数膨大で場当たり的なアクション

結果的にデータ分析は、膨大なデータを集計、分析、考察、仮説立案するため、施策の実行から効果検証まで2か月程度という膨大な工数がかかっていました。場当たり的なアクションとなる要因でした。

課題解決の為プライベートDMPを導入

STEP1:導入の意思決定

最初、プライベートDMP導入の必要性についてプレゼンするも理解されませんでした。実現するには、「概念」と「数字」と「想い」を伝えることが重要です。私が最終的にとった手段は、デジタルマーケティングに明るい役員とコミュニケーションをとり、理解してもらうことでした。

STEP2:製品選定

10社ほどで比較検討を進めました。最後の決め手となったのは、カスタマイズへの対応力でした。 ツール自体でできることは大きな差はないが、カスタマイズへの対応力が最も重要なのです。今、見えている用件、見えていない要件への素早い対応が必要と考えています。

STEP3:開発フェーズ

定義を決めていく上で、「これなら出来る」という視点が強くなりましたが、全メンバーが「どうやったら実現できるのか?」の視点で理解していることが非常に大切と考えました。

プライベートDMPで可視化された顧客傾向

初回で休眠化する率は6~7割という傾向がみられました。また優良顧客と下位層の差が明確に表れ、上位層のシェアが圧倒的でした。販売では約7割が1回のみの利用となっています。クーポン利用はヘビーユーザ中心という結果もでました。優良顧客ラインは1万円というラインも見えてきました。

施策事例紹介:休眠顧客の活性化

書籍単カテゴリで休眠化しやすい傾向がある濃厚なセグメントは、女性は若年、男性は高齢層でした。そこで、送料無料クーポンで訴求しました。しかし、おじさま・おばさまは帰ってきましたが、若者は帰ってきませんでした。

*この他、広告と顧客DBの紐付けの施策事例が紹介されました。

DMPで実現しはじめていること

いつ、誰に、どこで、何をというコミュニケーションの最適化が進んできています。顧客は広告やメルマガが嫌いなわけではなく、無関心な情報が多いから避けているのです。 パーソナライズされた有益なコンテンツを届ければ喜んでもらえるので、コンテンツは重要です。 私たちの強みは、豊富なジャンル特集によるレコメンドなので、シナリオを作成しパーソナライズをどんどん進めて自動化していきます。

今後の展望と実現したいこと

リアル店舗のデータベースを統合した、BOOKOFFのプライベートDMP構築に挑戦したいと考えています。リアルとwebを横断することで、顧客を知り期待を超える接客を提供できるお店を実現したいと思っています。

千田氏は最後に、「DMP導入」や「ビッグデータ分析」が活動目的にならないためには、以下3つが重要だと述べています。
「why(なぜ)”が明確になっているか?」
「それが可視化されると「何ができる」まで仮説を考え抜いているか?」
「それが顧客と会社のためになるのか?」

あくまでもツールは手段であり、我々は人しか提供できないバリューを発揮しよう!と、講演を力強く締めくくってくださいました。


講演:顧客の可視化と1 to 1に挑む!~ブックオフオンラインの購買ビッグデータ分析~
開催日:2016年3月15日(火) 14:30~16:10
場所:インターシティ会議室
http://www.bookoffonline.co.jp/