第1回 スマートフォン

はじめに

この連載ではwebマーケティングに関する「たぶんこうかな?」と感じていることを実際に 調べて、数字で客観的に見てみようと思います。

さて、今回は「スマートフォン」をテーマにしてみましょう。 今年に入ってから機種も一気に増え、携帯=スマートフォンというくらい広まってきて いるのを感じます。

スマートフォンをミニPCとしてビジネスに活用されている方も多いかと思いますが、 一般的にはインターネットの利用が中心という方が多いようです。 当社のお客様のサイトでも、今まではPCサイトのついでに解析をされているケースが ほとんどでしたが、最近ではスマートフォンサイト単体で解析することが多くなって きました。 (スマートフォン専用サイトのオープンが進んでいるというのも理由の一つだと思い ますが・・・)

この状況ですから、「スマートフォンの利用者が増えているから、たぶんサイトへ アクセスしているユーザも多くなっているんだろうな」と考えられます。 そこで、この予想を裏付けてみたいと思います。

当社のアクセス解析/広告測定ツール「ac cruiser」がスマートフォン計測に対応したのが 昨年の10月でしたので、直後の2010年11月度のデータを調査してみましょう。 昨年の11月と言えば、docomo社よりGALAXY Sがリリースされた頃です。 その結果が以下の表になります。

昨年末の時点ではサイト全体の訪問に対してスマートフォンからの流入は3.5%とそれほど多くはないですね。 しかし、直帰率を見てみますと、サイト全体の直帰率に対して3%も高い数値となっております。 この原因としては、スマートフォンからのアクセスに対してサイトの最適化をしていないため、画面が小さく表示されることによる操作性の問題が考えられます。 とはいえ、絶対数が少なかったこの時点では、まだまだスマートフォンからの流入に対してサイトを最適化するかどうかの判断が難しいところだったかと思います。

それでは、最近のアクセスに変化はあったのでしょうか?

今年7月のデータを見ると、サイト全体の訪問に対してスマートフォンからの流入は9.4%、昨年11月と比較すると約2.7倍の伸び率となっておりますので、予想通りスマートフォンからの流入は順調に増えているようです。

一方、直帰率に関しては、ほぼ横ばいとなっております。 この原因としては、利用者が増えたことで今までスマートフォンからのアクセスが多かったECサイト以外のサイトも普通にアクセスされるようになり、かつ、そういったサイトはこれからスマートフォンに対する最適化を考えているということから、平均値としては変化がないという結果になったのだと考えられます。

また、サイト制作をする上で気になるのがFlashをどうするかという点ではないでしょうか。ご存じのように、5月に日本国内でもAndroidスマートフォンのシェアが上回ったというニュースが出たとはいえ、依然4割近くのシェアを持つiPhoneがFlashに対応していないという点は無視できない問題です。

では、iPhoneからのアクセスに変化があったのでしょうか。 確かに私の周りで新しくスマートフォンを購入したというユーザはAndroidスマートフォンが多く、新しくiPhoneを購入したという話はあまり聞かないような気がします。 iPhoneのアクセスは減ったのでしょうか?

そこでスマートフォンからのアクセスにおいてiPhoneが占める割合を比較してみましょう。

昨年11月の時点で約6割がiPhoneです。ちなみに次点はiPadとなっており、合わせると8割以上がiOSでのアクセスとなり、Flashをメインにしていたサイトは苦戦したのではないかと考えられます。 それに対し、今年7月ではシェア通り、4割弱の割合となっております。しかしながら、訪問回数自体は昨年11月に比べて、1.7倍近く増えておりますので、iPhoneでのアクセスが減ったというよりは他機種からのアクセスが増えただけという結果がわかります。 iPhoneユーザが他のスマートフォンに移ったというより、今までは普通の携帯電話(ガラケーやフィーチャーフォンなどと言われておりますが・・・)を利用していたユーザが同キャリアのスマートフォンに機種変更をしたケースが多いのだろうと思います。

以上のように、スマートフォンからの流入が順調に増えておりますので、スマートフォンからPCサイトを閲覧させるということではなく、PCからはPCサイト、モバイルからはモバイルサイトと同じようにスマートフォンからはスマートフォンサイトを用意するといった対応をしなければならない時期に差し掛かっているということが言えます。 また、さらにAndroid、iOSといった機種での違いも考慮したサイトの最適化を行わなければならないと考えられます。