プライベートDMPを活用した自動推奨(レコメンド)

クリックデータを利用したレコメンドの限界

ウェブサイト上で収集できるクリックデータ(閲覧情報や購入情報)を演算し、類似性や関連性の高い商品やコンテンツを自動表示する手法がレコメンデーションです。利用者の好みにあったアイテムやサービスを推薦する手法として、オンラインショップなどで一般的に利用されており、適切なアイテムやサービスを絞り込んだ自動推薦を行い、売り上げを高めるのが狙いです。

「あなたにおすすめの商品」や「この商品を見ている人が他によく見ている商品」、「この商品を買った人はこの商品も買っています」など、レコメンドエンジンで自動推奨するための情報は、Webブラウザ内に蓄積されるCookie情報から収集します。Cookie情報は、Webブラウザが異なると保持するCookie情報も異なり、同じ利用者が、別のWebブラウザを利用している場合には、異なる利用者データとして保持されるため、利用者の実態を把握するには限界があります。

つまり、Cookieによるクリックデータを利用したレコメンドは、Webブラウザを通して閲覧または購入された商品情報から自動推奨された商品であり、利用者の実態を反映したレコメンドではありません。そのため、利用者が過去に購入した商品や購入頻度などの実態を可視化し、「おすすめ商品」を自動推奨する場合には、クリックデータに加えて、利用者の購買実績データを利用したレコメンド手法が必要となります。

購買実績データを利用したレコメンド

サイト運用者は、Webブラウザ以外に、メールや電話/FAX/DMなど、異なる購買チャネルを経由して発生する利用者の様々な情報を社内に収集し、CRMデータや購買履歴データとしてシステム管理しています。利用者の購買実績データを利用したレコメンドでは、利用者の累計購入金額や購入頻度、最終購入日を対象として、類似する他の利用者データの中から、相関性が高い商品を自動推奨する手法となります。

この実現には、購買履歴やサイト上の閲覧履歴から導き出される興味・関心など、企業のマーケティング活動に重要なデータを統合し、利用者の実態を可視化できる仕組みが必要不可欠となります。

以下に、CRMデータや購買履歴データを利用したレコメンドの活用例を挙げます。

種別 条件 レコメンド内容
オンライショップ 過去の購買履歴に応じておすすめ商品アイテムを表示 過去1年間にコシヒカリ10kgを購入した利用者が来訪した際には、コシヒカリ新米を自動推奨。
特典・クーポン未使用者に対する再通知 クーポン未使用の利用者が来訪した際には、利用促進の再通知。
転職・派遣 応募履歴(業種・職種・期間)に応じた求人情報を表示 過去に応募した業種・職種の中から利用者におすすめの求人情報を自動推奨。
美容コスメ・通販 美容液定期購入者への化粧水商品のオファー表示 美容液を定期購入している利用者が来訪した際に、おすすめの化粧水を自動推奨。
トライアル購入者に対する定期引上のオファー表示 無料サンプル・お試し商品を購入済み利用者が来訪した際には、本品又は定期商品を自動推奨。
肌診断アンケート結果に基づく化粧品オファー表示 肌診断を受けた利用者が来訪した際に、診断結果の肌質タイプに合った商品を自動推奨。
特定のキャンペーン対象者に対するオファー表示 キャンペーン資格対象者に限定したオファーコンテンツを自動表示。
旅行
トラベル
航空券予約者に対して渡航先都市のおすすめホテルを表示 航空券を予約した利用者が来訪した際には、渡航先都市のおすすめ宿泊施設を自動推奨。
資格講座
イーラーニング
資格講座の受講コースに対して受講確率の高いコースを表示 受講が終了した利用者が来訪した際には、受講済コースの次に受講人気の高いコースを自動推奨。

購買実績データとクリックデータの紐づけ

利用者の購買実績データを利用したレコメンドを実現するには、利用者固有のユーザ識別子(注文番号や会員ID)を主キーとして、クリックデータと購買実績データとを統合する必要があります。主キーとなるユーザ識別子は、ウェブサイト上の購入完了ページやログインページ、または、メルマガからの流入時にCookieで取得することが可能です。

一旦、Cookieとユーザ識別子との紐づけが行われた後は、Cookieで保持することができるため、ウェブサイト上の全てのページでユーザ識別子を取得する必要はなく、トップページや検索トップや別ドメインのトップページで来訪者のCookieから利用者とその購買実績を判定することが可能となります。

新規獲得促進とリピート購入促進の両方を実現するプライベートDMP

ウェブサイトの来訪者には、初めて来訪する利用者や未購入者をはじめ、初回購入のみの利用者やリピート購入している利用者など、様々な顧客層が含まれています。サイト運営者は、利用者との効果的なコミュニケーションを実現するには、単に、利用者の好みにあったアイテムやサービスを自動推奨する手法としてのレコメンドでは限界があることも認識しています。クリックデータと社内に散在する様々な利用者データを統合し、自社の顧客獲得プロセス(新規獲得施策またはリピート購入施策など)に応じて、クリックデータを利用したレコメンドと購買実績データを利用したレコメンドを使い分け、利用者の実態に合わせたレコメンドを実現できる取り組みが重要となります。