顧客育成を徹底する顧客ポートフォリオマネジメント(CPM)

リピート顧客は大切

売上を伸ばすには、新規客数・リピート客数・客単価・購入回数を増やすことが重要な要素となります。

また、顧客一人を獲得するためのコスト(広告費や運用費)で見た場合、新規顧客の獲得にかかるコストは、一般的には、既存顧客を維持するコストの倍以上となるため、既存顧客からの売上を増やす方が売上と収益に貢献することは疑う余地がありません。

企業のマーケティング活動における共通課題である既存顧客のリピート購入で売上を増やすためには、顧客の購買行動から、顧客が何を重視しているかを正しく理解し、改善や購買促進に必要となる適切な施策を講じて、その効果を検証していくことが必要となります。

顧客分析の手法:RFM分析 vs CPM分析

顧客を分類・把握する代表的な分析手法として、「RFM分析」と「CPM分析」があります。

RFM分析は、顧客の購買行動を3つの指標でグループ化し、それぞれのグループ特性の把握とマーケティング施策を講じる手法です。

(1)Recency (最終購入日)

(2)Frequency (購入頻度)

(3)Monetary (購入金額)

例えば、R(最終購入日)が低くても、F(購入頻度) とM(購入金額)の数値が高い場合は、購買力が高い顧客層となるため、この層の顧客を奪われない施策が重要となります。


CPM分析は、顧客の購買行動と経過日数を基準に顧客状態を現役と離脱の10パターンにグループ化し、顧客状態に応じた施策を講じる手法です。例えば、「初回離脱客」に対しては、コミュニケーションの回数に的を絞って購入後のフォローアップ頻度を上げ、リピートに繋げる施策が重要となります。

自社が保有するお客様を購買行動から分類・ランク把握するRFM分析とCPM分析の違いは、「在籍期間」にあります。

RFM分析は、お客様を「優良層・見込み層・新規層・離反層」にセグメント分類し、各セグメントに応じた効果的なプロモーションを行うことができますが、頻繁に購入していた優良顧客が、その後一定期間購入しないと「離反顧客」と分類されてしまうため、「現状の顧客状況」が変わると継続的なアプローチを取ることが困難になります。

そのため、下位ランク層や離反層は、施策に対する反響効果が小さいか、切り捨てられることになり、結果として優良層を含む上位の顧客層だけのアプローチになってしまいます。

顧客維持と優良顧客を育てるために

一方、CPM分析は、RFM分析では把握できなかった「顧客の在籍期間」をRFM指標と組み合わせて、「現役顧客と離脱顧客」の10セグメントに分類します。

顧客は、「初回現役」→「よちよち現役」→「こつこつ現役」→「流行現役」→「優良現役」のステップで優良顧客に成長するため、各ステージから次のステージに引上げるための施策やフォローを個別に行うことができます。

CPM分析は、顧客のロイヤルティーを現役と離脱に分類するため、初回購入してからまだ間もない「よちよち現役」から継続購入する安定的な「こつこつ現役」になってもらうためのコミュニケーションや、「離脱」したお客様を「現役」に引き戻すコミュニケーションなど、より顧客の行動心理に着目した効果的なコミュニケーションを行うことが可能となります。

自分たち自身が変わるCPM

顧客ポートフォリオマネジメント(CPM)では、一度「離脱」してしまったお客様に対してもコミュニケーションを取り続けることで、再び自社が指名され「現役」に変わるため、共感したお客様は、最後は「優良顧客」にまで進んでいただけるとの考え方が根底にあります。

そのため、お客様との長期的な関係性を構築するには、先ず自社のお客様がどんなポートフォリオに分布しているかを可視化し、効果的なコミュニケーション施策の継続を通して、その推移を時系列に把握し、比較することが重要な取り組みとなります。

売上や収益を改善するために自社が取るべき対応策は、「お客様を変える」ことではなく、先ず「自分たち自身が変わる」ことから始めることが重要となります。