LTVによる広告効果の可視化

顧客LTVを用いた全体最適化の実践

新規獲得後の顧客維持を最優先

サービス利用者が、自らの生活シーンで複数のデバイスを使い分けて情報収集することが当たり前となってきた昨今、サービス提供者は、様々なメディアを組み合わせたプロモーション施策を展開し、新規獲得の効率化を図るだけでなく、新規で獲得した顧客を、その後どれだけの期間維持できているかを把握するLTVを重視する傾向が強まりつつあります。

EC・通販サイトで実施する新規獲得や引上げを対象とした施策に対して、その効果を可視化する際、掲載した広告を経由して獲得した新規顧客1件あたりのコスト(CPA)や注文1件あたりのコスト(CPO)が分析指標に用いられます。これらの指標は、プロモーション施策単位での効果を把握する場合には有効ですが、対象施策から獲得した顧客が、その後Nヶ月間で購入した累計金額や引上がった累計顧客数からプロモーション施策の効果を把握する場合には、適切ではありません。

新規獲得施策の場合、1円でも低く多くの顧客を獲得することが最優先となるため、CPA・CPOを用いて広告効果を把握することができますが、新規獲得した顧客がその先1年間で購入した金額から新規施策の効果を把握するには、LTVを視点とした分析指標が必要となります。

LTVによる広告効果の可視化

LTVを使った広告評価には、主に「広告LTV」と「広告引上げ」があります。

「広告LTV」は、プロモーション施策別に流入回数・直帰率・獲得件数・獲得金額・獲得人数とその後Nヶ月間での累計購入金額を把握します。また、施策に含まれる媒体種別(リスティング・純広告・アフィリエイト・SNS等)や広告クリエイティブ別に分析数値の詳細内訳を把握します。

●広告LTV

「広告引上げ」は、プロモーション施策別や媒体種別・広告クリエイティブ別に、初回購入者数・初回購入金額とその後Nヶ月での定期引上数・引上率・累計購入金額を把握します。また、初回購入後、引上がった際の媒体種別と購買チャネルを把握し、新規獲得施策と引上げ施策時の媒体種別と購買チャネルの効率的は組み合わせを把握します。

●広告引上げ

「広告LTV」と「広告引上げ効果」におけるLTV分析対象の期間は、対象商品の購入サイクルに応じても異なりますが、EC・通販サイトでは、12ヶ月間・24ヶ月をLTV期間として定めるサービス提供者が多いです。

新規獲得施策や引上げ施策以外に、EC・通販サイトでは、リピート継続やクロスセルを対象とした施策を含め、様々な施策が複数の部署・部門を跨って展開されるため、施策単位で分析指標(CPA・CPO・引上率・クロス率など)が異なっていては、部門間・施策間での情報共有や効果検証が困難となり、結果として部分最適化の改善に終始してしまいます。

短期的な売上や獲得ではなく、お客様へのホスピタリティー向上とお客様との長期的な関係性を維持することを最優先と位置づけ、その実効性を可視化する統一指標としてLTVを導入し、マーケティング施策の全体最適化への取り組むことが重要となります。