「悪い利益」と「良い利益」- 顧客ロイヤルティを測る質問



突如、PC上に次のようなポップアップが表示されました。

「Windows10を他の方に薦めますか?」

皆さんもこのポップアップを見かけたことはありませんか?
このポップアップをクリックすると「1(薦めないと思う)~5(薦めると思う)」の内1つを選択し、なぜそのスコアを付けたかを回答する、というアンケートが表示されます。

これは「顧客ロイヤルティ」を評価するための「NPS(ネット・プロモーター・スコア)アンケート」と呼ばれるものですが、同様のアンケートを既に実施されている企業様も多いのではないでしょうか。

我々アクティブコアではプライベートDMPやマーケティングオートメーションを始め、顧客LTV・顧客ロイヤルティ向上を支援するソリューションサービスを提供しておりますので、改めて「顧客ロイヤルティ」とは何かを考え直してみました。

顧客ロイヤルティとは

顧客ロイヤルティとは、企業や商品・サービスに対する顧客の「愛着」や「信頼」のことを言います。
顧客ロイヤルティが向上することで、商品を何度も購入してもらえたり、知人や家族へ推奨してもらえる可能性を引き上げることができます。
特に知人や家族など他者へ推奨してもらえることで、新規顧客の獲得へ繋げることができ、将来的な売上を伸ばすためには顧客ロイヤルティの向上が欠かせません。

一般的に次のような顧客はロイヤルティの高い顧客とされます。

 1)継続的に商品やサービスを購入・利用している人
 2)商品やサービスへ満足するだけでなく、能動的に他者へ推奨してくれる人

上記2つをまとめて「ロイヤルティ顧客」と呼ぶこともできますが、今回は次のように定義します。

 1)継続的に商品やサービスを購入・利用している人=「LTVの高い優良顧客」
 2)商品やサービスへ満足するだけでなく、能動的に他者へ推奨してくれる人=「ロイヤルティの高い顧客」

このように2つに分ける理由は、LTVは高くてもロイヤルティが低い場合や、逆にLTVは低いもののロイヤルティが高いケースもあるためです。

ロイヤルティとLTVが両立しないケース

LTVは高いが、ロイヤルティが低いケース

皆さんはこのような経験はありませんか?
「キャンペーンに惹かれて契約をしたものの、その後のサービスには満足せず、しかしながら解約して他社に乗り換えるのも面倒なため、継続して契約している」
これは惰性で仕方なく契約をしている状況です。どんなにLTVが高くてもロイヤルティは低く、何かきっかけがあればすぐに他社に流れてしまう危険性のある顧客です。

ロイヤルティは高いが、LTVが低いケース

私の知人の例です。子供が産まれてからよく購入していた子供服ブランドがありました。ただ、子供が大きくなりそのブランドの服を購入することはなくなりましたが、別の知人に子供が産まれた際は、その子供服ブランドを推奨していました。
今後も子供服を買うことはありませんが、ロイヤルティが高く、新規顧客を呼んで来てくれる可能性がある顧客です。

前者の「LTVは高いが、ロイヤルティが低い」顧客から得られる利益は「悪い利益」とも言われることもあり、このような顧客が多い場合には企業の成長の大きな妨げとなります。
自社がどのような状況にあるのかを把握するためにも、顧客ロイヤルティを測る必要があるのです。

顧客ロイヤルティの評価指標

顧客ロイヤルティを評価する指標として「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」というものがあります。
NPSは以下のようなアンケートを行い、0~10の11段階で顧客に評価してもらいます。

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アンケートの結果から図のように「推奨者」「中立者」「批判者」に分け、推奨者の正味比率(NPS)を算出します。
このNPSと企業の利益成長率には強い相関があるという調査結果も出ており、NPSの値が高ければそれだけロイヤルティ顧客が多く、企業が成長しやすい状態にあると言えます。
ロイヤルティ顧客は何度も自社に戻ってきて商品やサービスを購入し続け、友人に紹介し、貴重なフィードバックを提供してくれるなど、「良い利益」をもたらしてくれるのです。

LTVとNPSで新たなセグメントを抽出する

LTVとNPSで顧客を分類することにより、「悪い利益」をもたらしている顧客と「良い利益」をもたらしている顧客を抽出することができます。

図の左上に位置する「LTVランクが高い批判者」から生じている利益は「悪い利益」となります。
不満があり仕方なく利用している状態ですので、すぐに原因を調査し対策を講じなければなりません。

図の右上に位置する「LTVランクが高い推奨者」は、まさに理想的な「良い利益」をもたらしてくれるロイヤルティ顧客となります。
このロイヤルティ顧客の過去の行動を分析することで、何がロイヤルティ向上に寄与していたのかが見えてきます。

NPSはアンケートで取得するものですので、全顧客に対して可視化することはできませんが、LTV指標のみでは見えなかった傾向・顧客層を把握することができます。

最後に

施策の効果を評価する際、売上金額やCV数を基準とすることが多いと思います。これらは重要な指標ですが、何度も購入(長期間契約)しているからといってロイヤルティが高いとは限りません。
成熟した市場においては商品の差別化だけでは不十分で、顧客ロイヤルティを高め、顧客に自社のファンになってもらう必要があります。

もし既にアクティブコアマーケティングクラウドをご利用中で、顧客毎のNPSの数値をお持ちの場合には、NPSをプライベートDMPへ取り込むことにより新たな顧客セグメントへの施策や分析を行うことができるようになりますので、是非ご検討ください。

今回の内容が皆さんの今後の施策のご参考になれば幸いです。

アクティブコア 小畑

【参考書籍】
フレッド・ライクヘルド‎、ロブ・マーキー(2013)『ネット・プロモーター経営 〈顧客ロイヤルティ指標 NPS〉 で「利益ある成長」を実現する』プレジデント社