購入・契約後の顧客心理について考える



アクティブコアの小畑です。

皆さんは、商品を購入した後で次のような不安を感じたことはありませんか?

「本当にこの商品で良かったのか」
「他にもっと良い商品があったんじゃないか」
「高かったけど本当に買ってよかったのか」

このような不安を感じた後、改めて商品の情報や口コミを調べたりしたことはありませんか?

購入後に起こるこのような感情・行動を「認知的不協和(理論)」といいます。
本日はこの「認知的不協和」によって顧客が取る行動、企業側が行うべき行動についてお話をしたいと思います。

認知的不協和とは


認知的協和とは下記になります。

矛盾する2つ以上の認知を持った時に感じる不快感・状態を認知的不協和と言い、
人はその不快感を解消するために、矛盾する認知のうち自分にとって不都合な方の認知を否定し、
もう一方を選択することを正当化しようする

よくダイエットに例えられます。
ダイエット中の人の目の前に大好きなケーキがあった時、この人の中では例えば次のような矛盾が生じます。

 認知A)ケーキは太り易い   認知B)目の前のケーキが食べたい
 ⇒食べたら太り、痩せるにはケーキが食べれない

認知的不協和
ここでは、ダイエットしたい感情とケーキを食べたい感情が矛盾し不快に感じます(不協和状態)。
もしケーキを食べたい気持ちが強い場合、この不安感を解消するために「少しケーキを食べたくらいでは変わらない」と、ケーキを食べることを正当化しようとします(協和状態)。

このように、自分にとって都合が良い方の選択を正当化するための情報を無意識に作り上げてしまうのです。
また、場合によっては正当化するための情報をネットなどで検索することもあります。

では、顧客が商品を購入した後で起こる認知的不協和とはどのようなものでしょうか。

購入後における認知的不協和


私は昔車を購入したことがあるのですが、契約後納車されるまでの間は「もっと安いので我慢すればよかっただろうか」と不安になったことがありました。
また、知人に「なぜその車にしたのか?」とわざわざ尋ねられたときには少し否定された気持ちになり、別の車をネットで検索し始めたり、
自動車販売店の近くを通ると他の車に目移りしてしまったり、「そもそも車を買うという決断は正しかったのだろうか」と考えてしまったこともありました。
その後納車され、実際に乗車しているうちに不安も解消されたのですが、この時の不安は今でも鮮明に覚えています。

商品購入後、顧客は次のような場合に認知的不協和に陥ります。
 ・購入商品への周囲の評判が良くなかった場合
 ・商品購入後、購入時の自分の選択に不安が生じた場合

「この商品は良い」と判断して購入したにも関わらず、後から知人に「その商品はあまり良くない」と言われたら、購入前後の認知に矛盾が生じます。
また同様に、購入後自分自身で「本当にこの商品で良かったのだろうか」と不安になり、不協和状態となることも多々あります。
購入までの検討期間が長い場合や、商品がある程度高価なものである場合には、この不協和状態に陥りやすくなります。
特に一生で最も高い買い物と言われる「夢のマイホーム」を購入した後で認知的不協和に陥ったとしたら、その不安は非常に大きなものになるでしょう。

この不協和状態で顧客が取ると考えられる行動は、自分の選択を正当化するための「その商品は良い」「購入した自分の選択は正しい」という情報の検索・模索です。
「この商品は良いと言っている人が多数」であるという情報を検索したり、「こういう視点で見ればこの商品は良い」という点を模索して自分の中で正当化しようとします。
もしこの不協和状態が解消できなかった場合、つまり「自分の選択は正しい」という認知を正当化できなかった場合、顧客は別の方法で協和状態になろうとします。

それは、自分の選択が正しくなかったかも知れないのは「企業や商品のせい」と考え、最終的にはキャンセル・返品や、ネガティブな口コミをSNSへ投稿するなどの行為によって協和状態に落ち着こうとします。
これは企業にとってデメリット以外の何ものでもありません。

企業が取るべきフォロー


そのため企業側は、購入前の商品の訴求メッセージだけでなく、購入後の「あなたの選択は間違ってません」ということを伝えるフォローメッセージを発信する必要があります。
例えば次のようなメッセージです。

 ・口コミなどで実際に評判が良いことを伝える
 ・非常に多くの人がその商品を購入していることを伝える
 ・商品の使い方をレクチャーする(使い方通りにすれば効果が出ることを伝える)
 ・購入後のサポートが充実しているので不安に思う必要がないことを伝える

必要以上にアピールをすれば、「期待したほど効果が出ない」と新たな不協和状態が生じる可能性もあるため注意が必要です。

なお、これまでお伝えした内容は、BtoC・ECだけでなく、BtoBでも起こることです。BtoBの場合でも契約後の顧客は不安になることが多いのです。
そのため、契約後にも事例を紹介したり、すぐに使い方をレクチャーしたり、サービスを利用することによるメリットを改めて伝えることなどで、ポジティブな感情にシフトさせることが重要です。

なぜ不安を取り除く必要があるのか


先ほどの私が車を購入した例では、実際に納車され、乗車し始めて不安感は自然と取り除かれました。
この不安に対して企業側にできることには限界があり、最終的に商品を使用して満足すれば問題ないという考え方もあるかも知れません。
ただ私は、もし顧客のその不安を取り除くことができたなら、顧客からの「信頼」を獲得できるであろう点を重要視しています。
つまり、顧客ロイヤルティの向上です。

ロイヤルティとは『企業や商品・サービスに対する「愛着」や「信頼」』です。企業や商品へのロイヤルティが高い顧客は、その企業・商品を他者に推奨したり、継続利用してくれる可能性が高くなります。
購入した商品について知人やSNS上で「良い商品」という評判があれば、顧客に「その選択は正しい」ということを伝える強い味方になります。
そのロイヤルティを得ることは容易ではなく、常に顧客視点に立ったコミュニケーションが必要です。


今回は商品購入後の認知的不協和という顧客心理についてお話しましたが、実際には顧客は他にも様々な悩みや不安を抱えています。
私も日々の業務では、当社サービスをお使いのお客様の感情に寄り添うことで、よりご満足頂けるようサポートしたいと思います。