第6回 B2C/EC 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例

顧客タイミング・ステータスに合わせたマーケティングとオートメーション

こんにちは。アクティブコア山田です。

顧客主導の時代を迎えた今、企業のマーケティングをどう進めていくかをテクノロジーとともに考えていくコラムの第6回です。

前回は「B2B 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」と題して
・B2Bのカスタマージャーニー
・マーケティングリードと営業リード
・スコアリングの基本
・マーケティングオートメーション
を解説しました。
B2Bにおいて企業担当者が求める瞬間(タイミング)に合わせるにはどうすればいいのかを考察しました。

今回はB2Cビジネスにフォーカスして
「B2C/EC 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」
をお届けします。

人材サイト カスタマージャーニー

図1:人材サイト カスタマージャーニー

図1は人材サイトの顧客ステータスの変化を示しています。
人材サイトではに集客して会員登録をしてもらった後に求人とマッチングすることが大きな目的となります。
また、転職した後でも、その後を定期的にフォローすることによって次の転職や、アルバイトを探す場合に
自社サイトを継続利用してもらうことがビジネス上の大きな利益となります。
したがって、顧客のタイミング・ステータスに合わせてオファーすることが非常に重要なポイントとなります。

EC/通販カスタマージャーニー

図2:EC/通販/店舗 カスタマージャーニー

EC/通販の場合は顧客は認知・初回購入・リピート購入の道をたどっていきます。
企業としてはいかにLTV(Life Time Value:顧客の累計売上)を高めるかが収益に大きく影響します。
単品商品(ブランド)で勝負する企業と多品種・他ブランドを扱う企業とは分析単位・アプローチ方法が
若干異なりますが、どちらも顧客に合わせたオファー・品揃え・商品開発・提供をすることがミッションです。

それでは人材サイトA社の顧客ステータスに合わせて成果を上げた事例を紹介しましょう。
A社が最初に行ったのは顧客の可視化です。

図3:人材サイト 顧客ステータスの可視化

図3は顧客がWebサイトに訪問した最後の日からの経過日数を月別にした推移チャートです。
このチャートを見ると、A社の顧客は120日以内にサイト利用がないと、休眠になることがわかります。
会員数は順調に増えています。しかし、顧客行動を分析すると検討中フォルダに保存しているが、応募しない会員が多数存在することが判明しました。

課題が見えてきました。

図4:人材サイトA社 課題

顧客ステータスに合わせたオファーができていないことが課題でした。
そこでそれぞれの課題に対する解決策を検討した結果、
顧客ステータス別に施策を決め細く実行するために
マーケティングオートメーションを導入して
顧客ステータスの変化に自動で対応することにしました。

アクティブなのになかなか書類選考が通らない応募者については履歴書の質を上げることを指導するようにしました。
求人数が少ないエリアに住んでいる会員については居住地からエリアを広げてレコメンドするようにレコメンドエンジンを改良しました。
顧客行動分析から導き出した休眠の条件である90日以上Web訪問履歴がない会員に対してはサイト訪問を促すメールを自動的に送信します。
休眠中の会員がサイト訪問をし始めたら、レコメンドメールでフォローします。
新規会員登録した後はこれまで一律のメールを配信していましたが、メール反応やサイトの閲覧履歴によって、オススメの求人を定期メールに
入れました。
エントリフォームに到達しているにもかかわらず、応募のない会員に対してはリマインドメール(カゴ落ちメール)を送付します。

図5:A社 対応施策

これらの対策により、アクティブ会員数の増加とともに応募件数が飛躍的に向上することができました。
顧客ステータス・タイミングに合わせることによって成果を上げた事例として参考になるでしょう。

次はEC・通販サイトの事例です。

図6:EC・通販サイト 顧客ステータス別の施策

EC・通販サイトの顧客ステータスは大きく
・新規
・顧客
・ファン(リピーター)
に分けられます。

B社における顧客ステータス別の施策は図7のとおりです。
それぞれの顧客ステータスにおいて顧客とのコミュニケーションチャネルと手法が異なります。
新規獲得は検索エンジン対策はもちろん欠かせませんが、広告施策が重要なポイントとなります。
EC・通販サイトの売上の70%?80%は上位の優良顧客によってもたらされます。
B社もその通り、売上の80%が上位の20%の顧客によって占められていました。

売上の最大化=LTV=一人当たりの顧客からどのくらい売上を上げることができるか、
LTVの高い顧客をどれだけ増やせるかがポイントになります。
これまで広告は新規獲得数(CPA,CPO)が重視されてきましたが、
本来、広告の費用対効果はLTVで評価するのが、望ましいのです。
B社も広告は獲得数重視の戦略を取っていましたが、新規は増えるものの、リピーターが増えず売上が横ばいになってきていました。
そこで、獲得数重視からLTV重視へ大きく方向転換をすることにしました。

図7:CPAからLTVへの課題

しかし、LTVを算出するためには広告計測データだけではなく、初回購入以降のリピート購入データを顧客単位で紐付けて分析しなければなりません。
これらのデータをかき集めて集計する作業に膨大な労力と時間がかかるようになってしまいました。
そこでB社は広告データ、顧客データ、売上データをマーケティングクラウドに集約して格納し、一気通貫で分析する仕組みを構築しました。

図8:広告、顧客、売上データを集約して分析する仕組みを構築

これにより、LTVを最大化するためにどの媒体・広告に出稿すべきかが可視化され、費用を抑えながら、売上を増大させることに成功しました。

また、B社では広告で新規顧客を獲得した後のフォローも顧客嗜好に徹しています。

図9:フォローメールをパーソナライズ

従来は購入完了後は誰に対しても同じメールをステップメールで配信していました。
それを購入した商品や購入までに反応した広告によってステップメールの内容を変更しました。

図10:お客様の関心に合わせたフォロー

成分に惹かれて購入したお客様にはその後のフォローメールでは商品の品質や安全性への配慮を訴求して共感を促します。
効能に惹かれて購入したお客様には使い続けることで効果への期待を促すフォローメールを配信します。

図11:Web パーソナライズ施策

さらにメールだけではなく、Webサイトでも顧客の嗜好に合わせたパーソナライズ施策を実行しています。

これらの施策を実施した結果
・メール開封率 156% UP
・定期購入者率 120% UP
・引き上げ率  208% UP
大きな成果を上げることに成功しました。

B社の事例のポイントは下記の4つです。
1. 指標をCPAからLTVへ 
  最終的に顧客満足につながる広告を評価・運用
2. 顧客分析基盤の構築 
  各指標をワンボタンでレポートできる仕組みの構築
3. 顧客フォロー施策の見直し オートメーション化
  お客様の嗜好・関心事に合わせたフォロー施策
4. Webサイトパーソナライズ化 
  お客様の嗜好・関心事に合わせたコンテンツ・レコメンド表示

徹底的に顧客嗜好・志向へ合わせることが重要であることがわかります。

今回は「B2C/EC 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」についてお届けしました。

次回は「オムニチャネル事例」を解説します。