第5回 B2B 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例

アクティブコア山田です。

顧客主導の時代を迎えた今、企業のマーケティングをどう進めていくかをテクノロジーとともに考えていくコラムの第5回です。

前回は「顧客を可視化する分析手法」を
・顧客行動を紐付けてマーケティングデータベースを構築
・顧客行動・顧客ステータスで顧客をセグメントする
・顧客ステータス別の顧客接点を可視化
のステップで解説しました。
バラバラだった顧客接点を紐付けていくと、顧客行動を可視化することができます。 顧客視点のマーケティング施策を立案するためには顧客行動の可視化は不可欠です。 自社の顧客行動をデータで把握して、施策立案に役立てましょう。

今回はB2Bにフォーカスして、「B2B 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」をお届けします。

B2B 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例

B2B カスタマージャーニー

図1はB2Bの受注までの流れを示しています。

図1:受注までの流れ

本連載の第1回(http://www.activecore.jp/column/ma_1/)で言及したように、現在はインターネットやSNS、業界メルマガからかなりの情報を入手することができます。 ある程度の情報は営業から説明を聞くまでもなく、電車の中や、机の上、会議室のPC、タブレットから簡単に知り、資料をダウンロードすることができます。営業が訪問する前に企業の担当者はすでに情報を入手し、下調べが済んでいる、そういう時代になっています。

これを踏まえると現在の実際の受注までの流れは下記の流れになっています。

図2:実際の受注までの流れ

B2ビジネスのマーケティングは企業担当者のニーズに対応する情報を用意し、見つけてもらいやすい導線を発見し、創り出し、見つけてもらうための手法の確立と施策をすぐに実行できる環境を整えることが重要なポイントです。

次は受注までの顧客ステータスを見てみましょう。顧客ステータスを表す概念にファネルがあります。

図3:受注までのファネル

最初のファネルは顧客情報がない、匿名の情報のみです。Webサイト訪問のみで、資料請求、ダウンロードはなく、潜在・認知段階で匿名の状態です。

次はリードです。名刺交換・Webコンバージョンでコンタクト可能な個人情報を入手している段階です。

このリードにはMQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)があります。MQLはマーケティングで案件化の可能性ありと判断したリードです。SQLは営業で案件化の可能性ありと判断したリードです。。

リードが検討段階に入り案件化された状態に入ると商談に入っていきます。 MQLとSQLの違いを図で示します。

図4:MQLとSQL

ここではマーケティングの仕組みから案件を導くことにフォーカスしていきます。

では営業がマーケティング部門に求める情報は何でしょうか? 営業が求める情報は「購入・契約してくれる見込みの高い顧客の情報」です。

図5:営業部門が求める情報

マーケティング部門がすべきことは良質なリードを営業部門に渡すことです。

図6:マーケティング部門の役割

リード獲得からWebやメルマガ、質の高いコンテンツを提供してリードを育成していくことが求められています。

それではIT系A社の事例をみていきましょう。まず顧客のカスタマージャーニーを作成/データ収集しています。

図7:カスタマージャーニー/データ収集

次のようなコンテンツを用意しました。

図8:顧客のステータスに応じたコンテンツ提供

顧客ステータスに合わせて提供するコンテンツを用意しました。

A社では良質なリードを抽出するために顧客のランクづけ(スコアリング)を行っています。

図9:リードをスコアリングする

A社ではスコアを以下のように決めていきました。

1)収集可能なデータを確認
展示会・セミナー参加リスト
ウエブ閲覧・アクション(CV、クリック、ダウンロード)
メール開封・サイト流入など
2)受注・契約につながるアクションを洗い出す
契約データと紐づけるデータがない場合は
Web上のコンバージョン(資料請求、問い合わせ)
につながるアクションを洗い出す
3)タイミング
データからアクション → 営業リードの期間を調査
データがない場合は少ない日数から大きくする
それからマーケティング活動を実行するための基盤を構築しました。

図10:見込客を抽出してアタックリストを作成・コール部隊へ

見込み客の抽出は過去の案件化に繋がった顧客の行動履歴からスコアリングしています。

図11:見込み客につながる項目を分析

実際のデータイメージ

顧客のタイミングに合わせて用意したコンテンツを自動化する仕組み(マーケティングオートメーション)も導入しています。

A社のマーケティングオートメーション

A社のアプローチをカスタマージャーニーで表現すると下記のようになります。

A社 カスタマージャーニー

A社ではアタックリストからのアポ率が従来より40%向上しています。

今回は「B2B 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」についてお届けしました。

次回は「B2C/EC 顧客タイミング・ステータスに合わせた事例」を解説します。